もう君がいない
「そんなこと、私、、全然、、」
気づかなかった。
気づけなかった。
何度かチャンスはあった。
得体のしれない不安や、違和感を感じていた。
それなのにどうして、、
どうしてもっと早くに、、
「蓮が言ったのよ。茉菜ちゃんには、絶対に話すなって。」
「え?」
「茉菜ちゃんには、まだ黙っておいてほしい。その時が来たら、自分から話すって。」
蓮、、
なんで、、?
なんでもっと早く、教えてくれなかったの、、?
もっと早くに知ってれば、、
もっと早くに気づいてれば、、
私、、私、、
「きっと、茉菜ちゃんに、こんな風に泣いてほしくなかったのね。」
おばさんは、私の目を見て、
「勝手に言うと怒られるだろうけど、蓮は、本当に茉菜ちゃんのことが大好きだから。」
そう言って、にっこり、微笑んでくれた。
「茉菜ちゃん、蓮のそばにいてあげてくれないか?」
「はい。私も蓮に会いたい。」
おじさんにそう答えると、私は、、
大好きな蓮に会いに行く。