もう君がいない
残された時間
「ん、、?」
ゆっくり、まぶたが開く。
「蓮、気がついた?」
「茉、菜、、?」
「よかった、、。」
あれから、おばさんに真実を聞いてから、
私はずっと、蓮のそばを離れなかった。
離れたくなかった、、。
一晩中、眠っている蓮の横で、蓮の手を握ってた。
大きくなって、頼りがいのあった蓮の手も、
真実を知った今は、
小さく、もろく、、
消えてしまいそうなほど弱々しく感じた。
「ごめん、俺、、」
「大丈夫。先生呼ぶね。」
私は、蓮が目を覚ましたことを、ナースコールで伝える。
「お袋と親父は?」
「さっき、蓮の着替えとかを取りに帰った。おばさんに連絡してくる。」
「ん。」
私が病室を出て電話をしていると、先生と看護師さんが駆けつけて、病室の中に入っていった。
大丈夫、だったよね、、?
私、自然にふるまえてたよね?
病室の外に出た私の手は、まだ少し震えていた。
私、決めたの。
蓮の前では、絶対にもう泣かないって、、。