もう君がいない
コンコン、、
蓮の病室のドアをノックすると、中からおばさんの返事が返ってきた。
ドアを開け、中に入ると、
ベットごと起き上がっている蓮と、ベット脇に付き添うおばさん達がいた。
「茉菜、、」
私を見て、悲しそうに微笑んだ蓮。
そんな蓮の表情が、私の心にチクン、と突き刺さる。
「茉菜ちゃん、戻ってきてくれたのね。」
「はい。」
「ちゃんと休んだかい?」
「大丈夫です。」
「よかった。じゃあ、交代で私達が家に戻ってもいいかしら?」
「あ、もちろん。」
おばさん達は、気を遣ってくれたのか、
「また明日来るわね。」
それだけ蓮に告げると、そそくさと病室を後にした。
「体調、どう?」
私は、今までおばさんが座っていた、ベット脇のパイプ椅子に腰かける。
「今は大丈夫。」
「よかった。ご飯は?」
「さっき、少し食べた。」
「そっか。」
私達の間に、いつもとは違う、、
気まずい沈黙が流れた、、。