もう君がいない
「聞いたんだろ?」
主語も何もない、沈黙をやぶった、蓮の小さな声。
「うん。おばさんから。」
「そっか。」
またすぐに沈黙になって、、
蓮が、そっと、つぶやいた。
「ごめんな。」
その言葉に、顔を上げると、
蓮が、、
蓮が泣いていた、、
「蓮、、!」
私はすぐに立ち上がり、蓮を抱きしめる。
私の胸で、蓮が泣いている。
声を押し殺し、静かにすすり泣いている。
こんな蓮の姿、見たことなかった。
今にも壊れてしまいそうで、
どこかに消えてしまいそうで、
そんな蓮を、私は、、
壊してしまわないように、そっと、、
でも、
どこにも行ってしまわないように、ぎゅっと、、
優しく、強く、抱きしめていた、、。