もう君がいない
そんなみんなも、今では笑顔で蓮に会いに来てくれる。
「私達が泣いてる場合じゃないよね。」
その美雪の言葉で、
蓮の前では笑顔で過ごそう、って
みんなでそう決めたから。
美雪は週に何度か、時間があるときに私と一緒にお見舞いに来ては、
小学生時代の思い出話に花を咲かせ、
蓮も楽しそうに話してる。
公貴と里中君は、部活があってなかなか来れないけど、
いつも通り里中君がムードメーカーになって、
二人が来るたびに、病室は爆笑の嵐なんだ。
この前、みんなで集まったときなんて、
看護師さんが注意しに来たほど盛り上がってしまって。
みんなで、
お腹痛い~、腹筋割れる~、って言って、
何時間も笑いっぱなしだった。
いつも笑顔の蓮だけど、
みんなが来てくれたときは、いつも以上に表情が明るくなって。
みんなが帰ったときは、ちょっぴり寂しそうにしてて。
一緒に過ごしてきた時間はまだ短いけど、
本当にみんなのことが好きなんだなぁって、なんだか嬉しくなるの。