もう君がいない


「なに?」

「開けてみて?」


私が言うと、子どものように目をキラキラさせ、袋を開ける蓮が、


たまらなくかわいくて、、

たまらなく愛おしい、、。



「これ、ブランケット?」

「当たり~!」

「もしかしてこれ、茉菜が作った?」

「お!大当たり~!」


そう言って、手をパチパチする私に、

すげー!と驚く蓮。



「外にお散歩行くときとか、こうしてベットに座ってるときとか、使えるかな?って思って。」


天気がいい日に、車いすで外に出たりするんだけど、

ちょうどいいのがなくて、いつも上着をかけてたり。


蓮が起き上がって座ってるとき、

少し寒いと、薄い毛布を背中にかけてたり。


そんなとき、ブランケットがあったらいいなって思ってたから。



チョコの苦手な蓮に、

手編みのブランケットを準備したんだ。



「さんきゅ。」

「どういたしまして。」


気に入ってくれたのか、

何度も手で撫でて、その感触を確かめては、

にっこり微笑んでくれた。


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