もう君がいない
「茉菜に、ぴったりだと思う。」
蓮は、嬉しそうに笑ってくれた。
「茉菜、笑って?」
「え?」
いきなりそんなことを言い出す蓮に驚く。
でも、、
蓮がそう言うなら、
蓮がそう望むなら、
私は、涙に濡れた頬をゴシゴシ拭って、、
、、笑った。
すると、蓮が必死に手を伸ばし、、
私の頬に触れた。
その蓮の手に、私は自分の手を重ねた。
まだ、こんなに温かい、、。
蓮のぬくもりに触れ、私はまたすぐに泣いてしまう。
でも、必死に笑顔を作った。
涙を流しながら、私は笑う。
「茉菜には、笑顔が一番似合う。茉菜の笑った顔が、一番好きだった。」
”だった”その響きが、すごく切なかった。
「俺がいなくても、茉菜は大丈夫。」
「やだ、大丈夫じゃないよ、」
「いまは辛くても、また笑えるから。」
「だめ、蓮がいないと、、」
蓮がいないと、、
私、笑えない、、