もう君がいない

一人じゃない



蓮が亡くなって、もうどれくらいの時が経ったのだろう、、。


私は、蓮の死から、

まだ立ち直れずにいた。



蓮が亡くなった後、


お通夜やお葬式、初七日の法事、

お母さんや美雪に支えられ、参列したのは覚えているけど、


遺影の中で穏やかに笑う、蓮の顔を見ていた記憶しかない。



それから私は、ずっと自分の部屋に閉じこもっていた。



何も考えられない。

何もする気がおきない。


お腹もすかない。

のども乾かない。


今が何時なのか、何日なのかもわからない。


泣いて、疲れて眠って、、


また起きては泣いて、、


そんな毎日を過ごしていた。



お母さんもお父さんも、何も言わなかった。


ただ、ご飯は食べなさいと、

毎食部屋に持ってきてくれるだけ。


ほとんど食べられなかったけど。



美雪は、毎日私の家を訪れた。

公貴や里中君も、何度か来てくれた。


でも、誰とも会いたくなくて、、

話す気になれなくて、、


いつも、お母さんに断ってもらっていた。


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