もう君がいない
すると、公貴が大きなため息をついて、、
「茉菜、いい加減にしろ。いつまで逃げ続ければ気が済む?一生そのままでいるつもりか?」
怒っている様子で、声を荒げる公貴。
こんな風に、公貴が怒ったのは初めてだ。
「茉菜のこんな姿、蓮が見たらどう思う?蓮が喜ぶと思うか?」
そう言われたとき、、
私の中で、何かがはじけたんだ。
「蓮が見る?蓮がどう思う?そんなのわかるわけないよ!だって、だってもう蓮はいないもん!
蓮が、、蓮が死んじゃったんだもん!」
私は、狂ったように泣き叫んだ。
「逃げるも何もない!わかんないんだよ!どうすればいいかわかんない!
蓮がいないと、私、一人で生きていけない!
どうやって笑うのか、もうそんなこともわかんない!」
パチン、、
頬に、痛みが走った。
ジーンと痛みが広がって、頬が熱くなる。
驚いて顔を上げると、
今まで黙っていた美雪が、涙を流して立っていた。
美雪が、私の頬を叩いたんだ。