もう君がいない

キャンプ



新学期が始まって、2週間が経った土曜日。


「おはよ。忘れ物ない?」


「大丈夫だよ〜。昨日準備してるとき、3回もチェックしたもん。」


「ははっ、そっか。」


休日なのに、いつものように駅で光貴と待ち合わせ、学校に向かう電車に乗る。



毎年この時期に行われる、新しいクラスでの親睦を深めるためのキャンプ。

2年生は、今日と明日の一泊二日なんだ。


こんな行事があるなんて、中学校みたい。


そんな感じでちょっとバカにしてたけど、去年のキャンプが意外と楽しくて、今年も楽しみにしてた。



「最近、蓮と電車一緒にならないな。」


電車に乗り込むと、光貴が何気なく言った。



そう。

あの日以来、朝から蓮と一緒になることがなかった。

光貴と登校すると、もう蓮は先に教室にいるから、私達より早い電車に乗ってるみたい。


蓮には何も言ってないけど、私は、そのことがずっと気になっていた。


だって、小学生の頃、蓮は朝が苦手でよく寝坊してて、私が蓮の家に行って起こしてたくらい。

なのに、そんな蓮が、私達よりも早い電車に毎日乗ってるなんて。


アメリカに行ってる間に、早起きできるようになったのかもしれないけど、、


でも、、



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