もう君がいない
それからの私は、ひたすら勉強した。
”がむしゃら”
その一言に尽きる。
もともと文系だった私。
大学の看護学部に進むため、苦手な理系の克服に取り組んだ。
一番苦手な数学は、本当に苦労したけど、、
でも、蓮と約束したから。
蓮に、看護師になるって誓ったから。
蓮が、ぴったりだって喜んでくれたから。
絶対に、諦めたくなかった。
みんなより少し早くに、美容専門学校に進学を決めた美雪、
私の勉強に付き合ってくれて、得意な数学を教えてくれた。
私と同じく大学に進む公貴、
お互い励ましあって、いつも夜遅くまで勉強した。
福祉系の専門学校を受験する里中君、
小論文に苦しんで、図書室で発狂しては注意されてた。
みんな必死だった。
弱音なんて一切吐かずに。
誰も何も言わないけれど、きっと、、
みんなの心には、蓮がいた。
みんな、、
蓮の分も、毎日を一生懸命に生きてたんだ。