もう君がいない
私には、蓮がわざと早い時間の電車に、時間をずらしているような気がしてしょうがなかった。
自意識過剰って言われちゃうかもしれないけど、
私はそう考えてしまって、なんだかすごく切なかった。
それにこの2週間で、蓮は、光貴や里中君とすごく仲良くなっていて、
いまでは、美雪と私を含めた5人で一緒にいるようになった。
もちろん、今日のキャンプでの班も、私達5人で組んでいる。
蓮がどんどん打ち解けて、周りに馴染んでいくことは、本当に良かったと思うし、私も安心した。
でも、光貴と仲良くしてる姿を見ると、やっぱりちょっと複雑で、
なぜかいつも、ソワソワしてしまう自分がいるんだ。
「茉菜、どうかしたか?」
「えっ?」
「なんか最近、ぼーっとしてること多い。」
「そうかな?別にどうもないよ!」
「嘘つくな、何年見てると思ってんだよ。そんな嘘が通用すると思った?」
こういうとこ、蓮と違うよね。
蓮は、私が否定すれば、それ以上問いただしたりしない。
本当に、私の言葉を信じてるだけかもしれないけど、私には、それが蓮の優しさな気がする。
光貴が優しくないわけじゃない。
私のことを本当に心配してくれてるんだって、わかってるから。
はあ、、二人を比べてどうするんだろう。
比べる必要なんて、何一つないはずなのに。