もう君がいない
「ごめん。俺はやめとくよ。」
「え〜、なんで〜?」
「展望台あんま興味ないんだよね。悪い。」
「そっか〜。残念。」
少しショックそうな亜衣ちゃん、同じように残念がってる顔の3人。
それなのに、その状況で、蓮が誘いを断ったことに、ホッとした自分がいた。
なにこれ、、?
私、なんでホッとしてるの?
私、亜衣ちゃんが断られたことに、どうして安心しているの?
ふと蓮の顔を見ると、蓮も私を見ていた。
ぶつかる視線。
私はすぐに目をそらした。
「あ!そう言えば、蓮君と茉菜ちゃんって、知り合いだって言ってたよね?」
気まずくならないようにか、私に笑顔で話をふってくる亜衣ちゃん。
「あ、うん。」
「地元が一緒とか?」
「幼なじみだったの。蓮がアメリカに行ったから、小学校までだけど。」
「そうなんだ〜!えっ、じゃあさ〜、、」
それからは、亜衣ちゃんや他の子に、昔の蓮はどんなだった?とかいろいろ聞かれて、、
美雪も小学校が一緒だったからって、私や蓮ではなく、美雪がほとんど答えてくれた。
私は、さっきホッとしたことが亜衣ちゃんに申し訳ないような気がして、
心の中がモヤモヤとしていった。