もう君がいない
今日の晩ご飯はカレーで、自分達で班ごとに作ることになっている。
本当に中学の頃の合宿みたいで楽しい。
ロッジの外に作られている炊事場で、班ごとに分かれて調理を始めた。
「じゃあ、茉菜ちゃんと美雪ちゃんはカレーの下準備ね!俺らは火起こしてから、飯炊いとくから!」
ルンルンで指示を出す里中君。
みんな笑いながら、指示通りに準備にとりかかった。
お米をといで水を捨てるときに、一緒にお米を少し流してしまったり。
火を起こそうと息を吹きかけると、勢いが良すぎて顔にすすをかぶったり。
俺もやってみたいと野菜を切り、不慣れな包丁で指を切ってしまったり。
終始テンションが高くて、一人で騒いでる里中君のおかげで、私達の班は笑いがたえなかった。
光貴も蓮も、美雪も私も、そして里中君も、
みんなでお腹を抱えて笑った。
そんなこんなで、どうにか完成したカレーは、予想以上においしくて、、
すごく楽しかった。
すごくすごく楽しかった。
さっきまでのモヤモヤなんて忘れちゃうくらい、すごく幸せだなぁって思えたんだ。