もう君がいない
流れ星
晩ご飯の片づけを終えると、女子と男子は別れて、それぞれのロッジへと入った。
「茉菜〜!早く温泉入ろ!もう体ベタベタ〜。」
「うん!行こ行こ!」
ここのキャンプ場は、全てのロッジに温泉が引いてあって、最高に気持ちいいんだ。
美雪と私が行った頃には、もうほとんどの女子が入っていた。
すごく大きな湯船だから、クラスの女子全員が揃っても全然余裕の広さがある。
「あ〜、いい湯だわ〜。」
「あはは!美雪、おじさんみたい。」
1年ぶりに入るここの温泉は、本当に気持ちが良くて、うんと手足を伸ばすと、スーっと疲れが取れる気がした。
「ねぇねぇ、美雪ちゃん!」
近くにいた子達が、端の方にいた私達にそっと近づいてくる。
「なに?」
「この前ね?たまたま駅で美雪ちゃん見かけて、一緒にいたのって彼氏さんだよね?他校の制服だったけど。」
「そうだよ〜。」
「わぁ〜やっぱり!彼氏さん、すっごくかっこよかった!美雪ちゃんうらやまし〜!」
「あははっ、そうかな〜?」
そう答えてる美雪の顔を見て、私はなんだか不思議な気がした。