もう君がいない

流れ星



晩ご飯の片づけを終えると、女子と男子は別れて、それぞれのロッジへと入った。


「茉菜〜!早く温泉入ろ!もう体ベタベタ〜。」

「うん!行こ行こ!」


ここのキャンプ場は、全てのロッジに温泉が引いてあって、最高に気持ちいいんだ。


美雪と私が行った頃には、もうほとんどの女子が入っていた。

すごく大きな湯船だから、クラスの女子全員が揃っても全然余裕の広さがある。



「あ〜、いい湯だわ〜。」

「あはは!美雪、おじさんみたい。」


1年ぶりに入るここの温泉は、本当に気持ちが良くて、うんと手足を伸ばすと、スーっと疲れが取れる気がした。


「ねぇねぇ、美雪ちゃん!」

近くにいた子達が、端の方にいた私達にそっと近づいてくる。


「なに?」

「この前ね?たまたま駅で美雪ちゃん見かけて、一緒にいたのって彼氏さんだよね?他校の制服だったけど。」

「そうだよ〜。」

「わぁ〜やっぱり!彼氏さん、すっごくかっこよかった!美雪ちゃんうらやまし〜!」

「あははっ、そうかな〜?」


そう答えてる美雪の顔を見て、私はなんだか不思議な気がした。


< 64 / 448 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop