もう君がいない
そう聞かれると、私は何も知らなかった。
小さい頃は両思いだったって、それも実際は私の勝手な思い込みかもしれないし。
アメリカに行ってからのことは、私にもわからないし。
「亜衣ね、蓮君が気になるんだって〜。」
「そうそう!だから茉菜ちゃんが知ってるなら、教えてあげてほしいんだ〜」
亜衣ちゃんのグループの子達にもそう言われ、私はますます困ってしまう。
「え〜!そうなの〜!」
「知らなかった〜!」
さっきからいた子達は、亜衣ちゃんの気持ちを知り、驚きつつもキャッキャしてて、
女の子だな〜って感じ。
ああ、やっぱり亜衣ちゃんは、蓮のことが好きだったんだ、、。
私はまた、胸がギュッと締め付けられるような感じがした。
なんだろう、、
この胸の奥の苦しさは、、。
「ごめんね?私にもわからないんだ。」
私がそう答えると、そっか〜残念〜って、亜衣ちゃん達は口々に言った。
「あ〜、限界!私ちょっとのぼせそう〜!茉菜、そろそろ上がろう?」
「えっ、あ、うん。」
私がうつむきそうになったとき、突然美雪がそう言って、私の手をつかんで温泉から連れ出してくれた。