もう君がいない
脱衣所の扇風機の風が、温泉でほてった体を冷ましてくれる。
「茉菜、大丈夫?」
「えっ?」
「今日は質問攻めにあいすぎて、ちょっと疲れてるでしょ?亜衣ちゃん達の勢いもすごいし。」
「うん。でもちょっとびっくりしてるだけだから、全然大丈夫だよ。」
「そう?よし、アイスでも食べよ!」
私と美雪は、ロッジに置いてあるアイスの自販機でアイスを買い、部屋のベランダでのんびり食べた。
甘いアイスと、美雪の優しさで、私の心は落ち着いていった。
部屋の中に戻れば、きっと寝るまで女子達は、大好きなガールズトークを始めるだろう。
私はそうなるのが少し嫌だなって思ってしまっていて、、
美雪もそんな私の気持ちを察してくれたのか、私達は部屋の中が静かになるまで、ずっとベランダで星を眺めていた。
「そろそろ中入ろっか?」
「そうだね。」
私達が部屋に戻ると、もうほとんどの人が寝静まっていて、数人起きてる人も、静かにスマホを触ったりしていた。
その人達も、隣に寝ている美雪も、ふと気づけば、長くしないうちに眠ってしまっていた。