もう君がいない


でも、私はずっと寝つけなくて、、

こういうときって、なんだかいろんな事を考えてしまって、余計に眠れなくなる。

私の頭の中では、今日1日のことが、グルグルと回り続けていた。


転びそうになった私を、蓮が支えて助けたくれたこと。

講義中の蓮の横顔。

蓮が一人ぼっちかもしれないと焦り、全力で走ったこと。

亜衣ちゃんの蓮への視線。

気づいてしまった、亜衣ちゃんの気持ち。



いつの間にか、私の頭の中は、蓮のことでいっぱいになってしまっていた。


ふと我に返り、私は起き上がって頭を振った。

頭から出て行け、出て行け、と。


でも、そんなことでスッキリするはずもない。



私は、深い溜息をついた。


そのとき、ふと美雪と昼間に行った展望台のことを思い出した。

あんなに眺めのいい所、きっと今は星がきれいに見えるんだろうな〜。


真っ暗な道を歩いて行くのは少し怖いけど、でも行ってみたいな。

あそこでゆっくり星を眺めてれば、少しは気持ちが落ち着くかも。


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