もう君がいない
席替え
「よし。5月に入ったことだし、席替えでもするか〜。」
そんな田中先生の呑気な一言で、急に行われた席替え。
、、どうしてこうなるの?
「蓮君、1ヶ月よろしくね〜!」
「ん、よろしく。」
目の前を飛び交う、蓮と亜衣ちゃんの会話。
窓際の1番後ろの席を引き当て、私はルンルンだったのに、、
まさかの私の前は亜衣ちゃんで、その隣には蓮。
嬉しそうな亜衣ちゃんの笑顔が、グサグサと私の心に刺さる。
そりゃ嬉しいよね。
好きな人の隣の席になれるなんて。
私はこれから1ヶ月、ずっとこの状況を後ろから見守り続けるのか、、
そう思うと、気づけば溜息をついている私。
窓の外を見ると、私の心とは裏腹に、雲一つない青空が広がっていた。
そんな綺麗な空を見ると、自分が恥ずかしく思えてきて、空を見るのも嫌になる。
どうしてこんなにモヤモヤするのか。
どうすればこのモヤモヤは消えるのか。
いまだに答えが見つからなかった。