もう君がいない
2回目?
「おじゃましまーす。」
ゴールデンウイーク初日。
いつもよりゆっくり起きて、ソファでゴロゴロしながらテレビを見ていた。
そこに突然現れた蓮のお母さん。
「こんにちは。」
私は慌てて起き上がり、おばさんに挨拶した。
「あら、茉菜ちゃんもいたの?」
「はい。すいません、こんな格好で。」
「いいのよ〜。部屋着までかわいい!やっぱり女の子っていいわね〜。」
「そんなことないわよ。かわいいのは服だけで、全然女の子らしくないんだから〜。」
お茶を出してきたお母さんが口を挟むと、おばさんとお母さんはダイニングの椅子に腰掛ける。
「それで?話って?」
お母さんが切り出すと、おばさんがキラキラと目を輝かせた。
「急な話なんだけど、明日から一泊で、久しぶりに二家族そろってキャンプに行かない?」
「キャンプ?」
「そう!さっき思いついたのよ〜!昔よく行ったでしょ?久しぶりに行きたいな〜って思ったのよ〜」