もう君がいない
「何だ?櫻井は柴崎と知り合いだったのか?」
ああ、、先生まで、、
これはもう、逃げきれない。
私は意を決して、顔を上げる。
「はい、、。」
先生にそう答え、そして蓮の顔を見上げ、
「久しぶり。」
それだけ言った。
蓮は、ニコッと微笑むと、それ以上何も言わず、黙って隣の席に座った。
「なんだそうか、知り合いだったのか。じゃあ、今日終わったら学校内を案内してやれ!」
「えっ、私がですか?」
「もちろん。俺が案内してやろうかとも思ったが、職員会議も入ってるし、頼むな?櫻井。」
「はい。」
みんなも見てるし、私は断れなかった。
どうしよう、、
学校内を案内なんて、無理だよそんなの。
私が頭の中で悶々と考えていると、ふと視線を感じて隣を見る。
すると、蓮がこっちを見て笑ってた。
「なっ、何?」
「いや、何も。案内よろしくな。」
うぅ〜、何なの?
なんでそんなに余裕な表情してるの?