もう君がいない
お嫁さん
「あぁ〜、疲れた〜。」
「私も〜、もう限界。」
パタリと、テントの中で倒れこむお母さんとおばさん。
テントが2つしかないので、女性陣と男性陣に別れて使うことになった。
「茉菜ちゃんも疲れたでしょ〜?くつろいでくつろいで〜。」
「それにしても、茉菜が釣りできるなんてね〜。蓮君と釣ってきてくれた鮎、本当においしかったわ〜。」
蓮と私は、あの後から釣りに夢中になって、無事に人数分の鮎を釣った。
釣りから戻ると、バーベキューの準備も終わってて、それからは宴会のような夕食になった。
すっかり酔っ払ったお父さんとおじさん。
いつも静かなお母さんとおばさんも、羽目を外して騒いでいた。
蓮は、お父さん達を介抱しつつ、お母さん達にもちょっかいを出され、少し困ったように笑ってた。
こんな賑やかな夕食は久しぶりだった。
昔は、よくこうやって二家族集まって、みんなでテーブルを囲んでいた。
懐かしいその雰囲気に、私もすっかり楽しくなっちゃって、食べ過ぎたせいでお腹が苦しい。