もう君がいない
花火と本音
おばさんも眠ってしまって、私は一人眠れずにいた。
テントの天井を見つめ、ぼんやりしてた。
美雪は、ゆっくりでいいって言ってくれたけど、
やっぱりこのままじゃいけない気がする。
ちゃんと考えなきゃ。
流れに任せてるだけじゃだめ。
今の私は、逃げてるだけだもん。
現実から目をそらして、ただ逃げてるだけ。
光貴と向き合うのが怖くて、
蓮と向き合うのが怖くて、
自分の心と向き合うのが怖くて、
真正面から向き合うことで、何かが崩れることが、何かを失ってしまうことが、ずっと怖かった。
でも、もう逃げるのはやめよう。
ちゃんと向き合おう。
どちらかを選ばなきゃいけない。
選ぶなんて言い方、ひどいかもしれないけど。
はっきりさせなきゃ。