もう君がいない
私は、外の空気が吸いたくなって、寝ている二人を起こさないように、そっとテントから出た。
「あっ、、」
「おう。」
そこには、蓮がいた。
蓮達のテントの前で、座っていた。
「何してるの?」
「茉菜こそ。またこんな時間に一人でどっか行くつもり?」
「ちょっと外の空気が吸いたくなったの。」
「俺も。ははっ、この前と同じだな。」
本当に、この前と同じ。
この前のキャンプの時と。
「なぁ、花火しない?」
「えっ?花火?」
そう言って、手に持った花火の袋を見せる蓮。
「なんで花火があるの?」
「お袋が持ってきてたんだ。まあ、たぶん花火の存在忘れて寝たんだろうけど。」
「そうだったの?」
「ん。もったいないし、やらない?」
「する!」