相棒の世界
ーーー助けられたことを後悔した。
あのまま川の底に沈んで、死んでしまえばよかったと思った。
こんな惨めで苦しい生活をしているうちに、俺は自分が生きているのか死んでいるのか、だんだん分からなくなっていったのだ。
ーーーそんなときだった。
ゼイルに出会ったのは。
「おい!あっち行け盲目ねずみ!!」
「臭いんだよ!!」
その日も俺は村人たちから石を投げられ、真っ暗闇の中を、転びながらもどこかへ逃げていた。
助けて…
助けて……!
助けて……!!!
人にぶつかり蹴飛ばされ、またぶつかっては石を投げられる。
何も見えない俺はどうすることもできなかった。
「ーーーうぅ…ううう……」
しばらく経った後、俺は豚小屋の裏に隠れて一人泣いていた。
服も破け、髪もチリチリになり、何もかもがボロボロの状態だった。
ひどく腹を空かしていたことも覚えている。
ーーー母…さん……
生き別れた母さんのことを思い出した。
母さんがいなくなってしまった今、俺はどうすればいい?
もう……死んでしまった方がいいのではないか…?
「うぅ…ううう…グスッ…うぅ……」
涙が止まらなかった。
膝に顔を埋めて、ただひたすら泣いていた。