相棒の世界





ゼイルは俺を担ぐと、森の奥深くにある自分の住処に連れて行った。




「ここで暮らすんだ、アルバート」



「うん…」




ゼイルは俺を中に入れると、台のような物の上に横たわらせた。




ーーードンッ




「っ!!」



「まあまあ、そんな驚いた顔しないで」




ガシャガシャ、と音を立てながら何かを取り出すと、ゼイルはそれを俺の脚に差し込んで行った。




「あっ!!!」




ーーーメスだった。





「あああああーーーー!!!」





あまりの痛さに俺は叫び続けた。



叫んでいないと死にそうだった。






「落ち着いてくれアルバート…
これでも俺は元医者だったんだ。
今、その脚を治してやる。
いやーーー」




ゼイルはニヤリと笑った。




「もっと強くしてやるよ。
お前を傷つけ続けたやつらをーーー
一発で殺せるくらいにな…」








ーーー手術は続いた。




血が滲み出てくるほど、俺は自分の唇を噛み締め続けた。





ーーー痛かった。



言葉では表せないほどに、痛くて痛くて仕方がなかった。






「アルバート」




しかし、そのたびにゼイルは言った。





「お前はちゃんと生きてるぞ?」







ーーーこんなに痛みを感じているんだから。







< 107 / 506 >

この作品をシェア

pagetop