相棒の世界
ゼイルは俺を担ぐと、森の奥深くにある自分の住処に連れて行った。
「ここで暮らすんだ、アルバート」
「うん…」
ゼイルは俺を中に入れると、台のような物の上に横たわらせた。
ーーードンッ
「っ!!」
「まあまあ、そんな驚いた顔しないで」
ガシャガシャ、と音を立てながら何かを取り出すと、ゼイルはそれを俺の脚に差し込んで行った。
「あっ!!!」
ーーーメスだった。
「あああああーーーー!!!」
あまりの痛さに俺は叫び続けた。
叫んでいないと死にそうだった。
「落ち着いてくれアルバート…
これでも俺は元医者だったんだ。
今、その脚を治してやる。
いやーーー」
ゼイルはニヤリと笑った。
「もっと強くしてやるよ。
お前を傷つけ続けたやつらをーーー
一発で殺せるくらいにな…」
ーーー手術は続いた。
血が滲み出てくるほど、俺は自分の唇を噛み締め続けた。
ーーー痛かった。
言葉では表せないほどに、痛くて痛くて仕方がなかった。
「アルバート」
しかし、そのたびにゼイルは言った。
「お前はちゃんと生きてるぞ?」
ーーーこんなに痛みを感じているんだから。