相棒の世界
ーーー俺は超人並みの『脚』を手に入れた。
最初は混乱したが、自分の新しい脚を使っていくことで、どんどん慣れていった。
「ーーーアルバート、いいか?」
俺に目線を合わせてゼイルは言った。
「人はなんのために生きると思う?」
「っ…!」
ずっと考え続けてきた疑問だった。
耳を傾けずにはいられなかった。
「ーーーそれはな、アルバート…
自分の『生』を実感するためだよ」
「っ!」
『生』をーーー
実感するためーーー…
「パシンッ!」
「うっ!!」
突然、俺はゼイルに顔を叩かれた。
頬にじんわりと痛みが広がっていく。
「…痛いっ……」
「そう、それだ!」
「っ!?」
ゼイルは興奮気味の声で言った。
「痛みを感じる…!!
それは紛れもなく生きているからだ!!!
ーーー俺は人に痛みを与えて、その苦痛の顔を見ることで『生』の実感を得ているんだよ!!
そして何より、そいつの『生』が一番輝く瞬間!それはなーーー」
ゼイルは俺の両肩を強く掴んだ。
「ーーー殺される瞬間だよ…!!!」