相棒の世界





俺が初めて人を殺したのは、9歳の頃だった。




「来たよ盲目ねずみ!」



「あっちいけー!!」




久々に村に姿を現した時、俺はやはり村人に誹謗中傷の言葉を受けた。



唾を吐かれ、石を投げられーーー




しかし、そんなことはどうでもよかった。






こいつら全員に、復讐をすると誓っていたからーーー










「全員ぶっ殺してやるううううう!!!!!」








俺は村の中央で叫んだ。




そしてーーー





「きゃあああああ!!!」





とにかく暴れ続けた。






俺は世界が全く見えなかった。



だからとにかく両手にもっていた短剣を振り回していた。




跳ぶ、切る、血を浴びるーーー




俺はいつのまにか、それが楽しくなっていた。





「ははっ、はははは!!!」







生きてる…!!





俺は生きているぞ…!!ゼイル!!!










俺は村で暴れ続けた。




そして自分を苦しめた奴らを殺すことにより、『生きる実感』を得ていったーーー。







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