相棒の世界





すると突然、前から笑い声が聞こえてきた。




「ぎゃははははは!!!」



「っ!!!」




3年ぶりに聞いたーーー懐かしい笑い声。




ーーーゼイルだった。





「おい!大人しくしろ!!」



「うるせーんだよ!くたばれぇぇ!!」





ゼイルは押さえつけられていた。



町の保安官にようやく捕らえられたのだ。







「あ……」



久々に会ったゼイルに、俺は声が出なかった。




頭に蘇ってくるのは一緒に暮らした日々とーーー





『目が見えない死人なんてーーー』






あの屈辱の言葉。









「…アルバート?」



「っ!」




ふと、ゼイルが俺の名を呼んだ。




「アルバートじゃないかぁぁ!!!」



「っ!!!」




途端にゼイルは大声で笑い始めた。




「ぎゃはははははっ!!!
久々だなアルバート!
随分とでっかくなったなー!
もう大人じゃねーかぁぁぁ!!」



「…っ」




俺はずっと黙っていた。



黙ることしかーーーできなかった。






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