相棒の世界
09. ゼイルとの決着
***
ーーー風が強く吹く。
ゼイルがーーー目の前にいる。
「あんたを殺す、ゼイル」
俺は剣を構えたーーー。
「ーーーぎゃはは!!
受けるのかアルバート!!
『また』逃げるなら今だぞ?」
「……っ」
ーーー逃げてなどいない。
ずっと俺を騙してきたお前からーーーようやく離れることができただけだ…!
「ーーーニカ」
俺は隣にいるニカに声をかけた。
「お前の力がどうしても必要だ。
俺の背中に乗って指図してくれ」
「…分かった」
「奴は右腕がないはずだ。
昔ほど力は持っていない」
「っ!?」
ニカは急に黙り込んだ。
ーーーん?
不安に思った俺は、もう一度声をかけた。
「…ニカ、どうしたんだ」
「兎…」
ニカは静かに言った。
「右足も…ないぞ」
「っ!!」