相棒の世界
「ーーー兎!左に避けろ!」
「っ!!」
俺が左に避けると同時に、大きな斧が右側に振り落とされた。
「いい反射神経だアルバート!!
さすが俺の息子だぁぁ!!
ぎゃははははは!!」
「ちっ!」
俺が少し離れた屋根に着地すると、ゼイルは途端に俺に向かって跳んできた。
「死ねぇぇぇ!!!」
「っ!」
ーーーカキン!!
刃がぶつかり合う。
ーーーカキン!カキン!!
屋根の上に音が響き渡る。
ゼイルの動きは昔から変わっていなかった。
だから動きを読んで攻撃を防ぐことは簡単だった。
だがーーー
「はっ、昔から動きが変わってないなぁ!!」
「っ!」
俺自身もまた、ゼイルに攻撃を見事にかわされ続けていた。
俺とゼイルの動きはーーー
あまりにも似過ぎていたのだ。