相棒の世界





俺の体は着々と病に侵されていった。




だが不思議なことに病気の進行が遅かった。




ーーー俺はずっと少年に会いたいと願っていた。



それが原因かもしれない。



また会って少年の顔を見る日まで、俺は絶対に死にたくないと思っていた。






ーーーしかし、3年が経ったある日。




俺はとうとう保安官に捕まった。



体は弱っていた。



もうダメだ、そう思っていた。









ーーーそんな崖っぷちに立たされた時、ずっと会いたかった少年は、突然俺の前に現れた。




奇跡かと思った。




嬉しくて涙が出ていたが、俺は声が震えないことだけを意識していた。



少年は目が見えない。



耳に入ってくる情報さえどうにかすれば、泣いていることはばれなかった。








ーーー少年は俺を恨んでいるようだった。



お前は家族ではないと言われた。



なぜだかは分からない。



恨みが着々と積み重なったものなのか、それとも何かのきっかけによって湧き出てきてしまったものだったのか、全く分からなかった。






ーーーだが俺は言った。




また一緒に暮らしたい。



お前と一緒に暮らしたい、とーーー。



あの頃にーーー本気で戻りたかったんだ。






< 135 / 506 >

この作品をシェア

pagetop