相棒の世界
ーーーだが、少年は俺の言葉に腹を立てた。
地獄に落ちろと言ってきた。
俺はわけが分からなくなった。
俺が何をしたっていうんだ!!
俺のことが嫌いになったのか…!!!
『お前の手で俺を地獄に落としてみろ…!』
気づけばそう口にしていた。
せめて殺されるなら、少年の手で殺されたかった。
少年を見ながらーーー
俺の息子を見ながら死にたかったんだ。
そしたらーーー少年は言ったんだ。
『死人』を殺すなんて楽しくないと。
俺はその途端、自分が黒犬に言った言葉を思い出した。
そしてやっと理解ができた。
どうして少年は俺の前から消えてしまったのかをーーー
少年はーーーあの会話を聞いていたんだ。
悔しくて泣き続けた。
ごめんな、そう謝りたかった。
俺から離れ行く少年の後ろ姿を見ながらーーー
俺は声を押し殺して泣いた。