相棒の世界
「……っっっ」
俺はもっと唇を強く噛み締めた。
全てが溢れ出てきそうだったからだ。
「アルバート…悪かったな…
お前に出会えてーーー
お前と一緒に暮らせてーーー
本当に幸せだった……
…ははっ、こんな極悪人でも…死に際になればこんなまともなことが言えるんだな……
…最後に…一つだけ聞いていいか…?」
ゼイルはかすれた小さな声で言った。
「俺たちはーーー家族か…?」
俺は目を瞑った。
大きく深呼吸した。
そしてーーー
ゼイルの手を強く握って言った。
「…ああ、家族だ。
お前は俺の…バカ親父だ…」