相棒の世界
「…グスッ…うぅ…」
俺の隣でニカは泣いていた。
「ーーーおいニカ」
「…グスッ…なん…だっ…」
「お前が泣いてどうする」
「お前は…グスッ…冷徹だな…!…グスッ」
ニカは嗚咽していた。
まったく涙もろいやつだ。
「ーーー悪かったな、冷徹で」
俺はゼイルの手をずっと握っていた。
まだ温かかった。
「兎…グスッ…笑ってるぞ…」
「…っ」
「ゼイルは…笑っているぞ…!」
ニカが泣きながら隣で言った。
「……ああ、そうだな」
ーーー伝わってくるよ…
幸せそうな顔しているーーー
親バカの顔が……
「ーーー埋めてやろう」
俺はゼイルを担いで、ニカと一緒に近くの森の中へと入っていった。
そしてゼイルを埋葬した。
「ゼイル…」
埋葬した場所に顔を向けながら、俺は呟いた。
「俺もーーー愛していた」
ーーーお前は誰がどう考えたって地獄行きだ…
ーーー地獄では暴れるんじゃないぞ、ゼイル…
どうか…安らかに眠ってくれーーー…