相棒の世界
「ふざけるな!!」
仮面の男は鳥に向かって銃を投げつけた。
銃が当たっても、鳥はビクとも動かない。
「……ちっ」
まるでーーー『奴』みたいだ。
「ーーー黒犬様」
「っ!!」
すぐ傍から聞こえてきた声に反応し、仮面の男はそちらに顔を向けた。
跪いている一人の部下。
「ーーーなんだ…」
「兎と鷹ですが、この町を出てさらに北へ向かいました…」
「……っ」
仮面の男は部下から顔を背けた。
目に映るのはーーー銃と死んだ鳥。
『黒犬…俺たちはずっとーーー』
「っ……」
目の裏に映り込む男の姿を、仮面の男は無理やり消した。
「ーーー追え、すぐにだ」
「かしこまりました…」
部下が足早に去っていくと、仮面の男は息を吐きながら建物に寄りかかった。
「ーーー兎…」
俺はお前をーーー
絶対に許さないーーー。
ーーーーーーーーーー………
ーーーーー……