相棒の世界
頭が真っ白になった。
「あ……」
声が出せなかった。
ーーー何が、あったんだ……?
「う…ぅ…っ…」
「……はっ!鷹目!!!」
苦しそうなうめき声に反応し、俺はそばに膝をつき、鷹目の体を揺さぶった。
「鷹目!しっかりし……っ!!」
俺の掌にベッタリとつく生暖かいものーーー血だ。
「……はは…いっ…てぇ………」
「喋るんじゃない!」
俺は自分が着ていたシャツを急いで脱ぎ、鷹目の傷口を確かめてから、それで傷口を塞いだ。
シャツごしにもどんどん生暖かい血が手に伝わってくるーーー
「……兎…ちゃ…ん…」
「鷹目、気をしっかり持つんだ!
お前はまだやるべきことがあるだろ!!」
ーーーしっかりしろ!!
ーーーしっかりするんだ鷹目ぇ!!
俺は必死で鷹目の耳元で大声を出した。
鷹目が目を閉じないようにーーー