相棒の世界
ーーーピヨピヨ…
「う、ん……」
小鳥のさえずりが耳をくすぐる。
俺はゆっくりと目を覚ました。
「……っ?」
肩にかかるあたたかいものーーー毛布だった。
ーーー誰がこんなものを…
「起きたか、兎」
「っ!」
突然近くからニカの声が聞こえてきた。
「もうそろそろ出るぞ」
すでにリュックを背負っている様子。
「…お前、そんなに早く準備をして一体どうしたんだ…?」
「どうしたもなにもない。
早く出るぞ、兎」
「……っ」
正直に言えば、まだ眠かった。
頭がスッキリしない。
「ほら、兎…行くぞ」
「…たくっ…分かった分かった」
仕方ないと思いながらも、俺は椅子から立ち上がると、毛布を片手に持った。
そしてそれをニカに渡す。
「ありがとう」
「っ!!!」
ニカは途端に驚いた様子になった。
そしてそれを恐る恐る受け取る。
「お、おう…」
「ふっ…」
やっぱりお前だったんだな。