相棒の世界
一瞬、時が止まったように思えた。
周囲から聞こえてくる町民たちの声が聞こえなくなった。
『ーーー兎?』
「っ!!」
ふと、近くから鷹目の声が聞こえてきた。
「鷹目!?」
俺は辺りをキョロキョロした。
真っ暗闇の中にはーーー
鷹目の姿はない。
『兎、頼んだぞ』
「っ!」
また鷹目の声が聞こえ、俺は後ろを振り返った。
「鷹目…!」
『兎ーーー』
鷹目の声はいつもとは違い、どこか落ち着いていて、どこか悲しげだった。
『ーーーニカを頼むからな…』
「っ…鷹目…」
『絶対にーーー』
ーーー守ってくれよ。