相棒の世界
「ーーー2つだけ質問をするから、それにきっちり答えてくれ」
我ながら懐かしい質問形式だと思った。
「…なんでしょう」
「一つ目、お前は魔法使いか何かか?
そして二つ目、どうしてお前はあの屋敷に閉じ込められていたんだ」
女性はしばらく黙り込むと、ゆっくり口を開いた。
「ーーー魔法使いではありません…
多言はできませんが…これは生まれつき持っている私の力です。
そしてーーー私は奴隷として、この屋敷の主人に高く買われたのです。
主人は私の力を利用して、自分の屋敷を守ろうとしていたのでしょう…」
「……っ」
生まれつきの力…
奴隷…
女性の口から出てきた言葉から、散々な日々を想像することができた。
「主人は他会社から自分を守るために、それはたくさんの暗殺者を雇っておられます。
いつ襲いかかってくるか分からない周囲の目にとてつもなく怯えているのでしょう。
ーーー今になっては、屋敷を訪れた者なら誰でもお構いなしに殺してしまうようになってしまいました…
あなた達が屋敷を訪れた時、瞬時に怪しいものではないと分かりました。
だから私はーーーあなたにメッセージを送ったのです」
女性は滑らかな口調で説明すると、しきりに大人しく口を閉じた。