相棒の世界
俺は女性の腕を掴んだまま歩き出した。
「…な、何をするんです!?」
「決まってる。連れてくんだ」
「っ!?」
俺はそのまま女性を引き続けた。
女性が今どんな顔をしていようと関係ない。
ここにはもうすぐ暗殺者たちが来る。
それにーーー
なにより俺は彼女をーーー
ここに置いていきたくはない。
「連れて行って下さいと言っとけばよかったな。
そう言われたら、俺は連れて行くかどうか迷ったかもしれない」
「え!そんな…!」
「ふっ、ジョークだよ」
俺はそのまま耳を頼りに歩き続けた。
彼女の手は、なめらかな上に冷たくひんやりとしていたーーー。
ーーーしばらくすると、
「あ!ジョンさーん!」
俺たちは、ニカを抱えたガイドンに遭遇した。
事情を説明し、彼女を一緒に連れて行くことを伝える。
「ジョンさんが言うことなら、俺はなんでも従いやすよ!!」
ガイドンはすぐに承諾してくれた。
「ありがとう、ガイドン」