相棒の世界
12. 罪
ーーー次の日の朝。
「ジョンさーん!起きてください!」
「…もう、朝か」
「はい!それよりそれより!
ニカさんが目を覚ましたんすよ!!」
「…っ…なんだって!?」
俺はその場から勢いよく体を起こした。
「ニカ!!」
それと同時にニカの名前を叫ぶ。
するとーーー
「おう、おはよう兎。
昨日は世話をかけたな」
近くから聞こえてきたのは、具合が悪かったとは思えないほど普段通りなニカの声だった。
「…お前、もう大丈夫なのか?」
「ああ、心配ない」
ニカはあっけらかんと大人びた口調で話す。
病人になっていたとは思えないほどにーーー。
「…ははっ」
思わず笑いが込み上げてきてしまった。
「どうして笑うのだ」
「いや、体調が回復すれば、お前の口の悪さもなくなると思っていたのだが…全くだったと思ってね」
「…っ…兎!」
いつも通りのやりとりに、どこか安心している俺がいた。
とにかく回復してくれてよかった。
この思いだけは、嘘でもなんでもない。