相棒の世界
「ーーーはっ!」
「っ!!」
ふと、ニカとミラが同時に何かに反応した。
「…どうしたんだ」
俺が聞くと、ニカは静かに言った。
「何か来ている…。
仮面の男たちではーーーない」
「っ!!」
仮面の男たちではないとなると、追っ手は一つに絞られる。
ーーー屋敷の主人たちだ。
俺のーーー父親だ。
「今は10キロほど離れてはいるが…馬を使ってこちらに向かってきているな。
追いつかれるのも時間の問題だ」
「ええ…」
ニカの言葉にミラも首肯した。
ミラも不思議な力で、相手の場所が分かるのかもしれない。
「とりあえず、先を急ぐよりもどこか身を隠せる場所を探したほうがよさそうだな」
この人数で跳ぶことは不可能だ。
どうせ追いつかれるのであれば、どこかに身を隠してやり過ごす方がいい。
「ニカ、この近くに隠れる場所がないか調べろ」
「分かった」
ニカは黙り込むと、鷹の目に集中した。
そしてーーー
「見つけたぞ」
隠れ場所を発見した。