相棒の世界





「ーーーそのまままっすぐの方向に跳べ、兎!」



「分かった!」




俺はニカに言われた通りに、まっすぐ前へと跳んだ。



ニカの言葉に従いながら降下していくーーー。





「敵の前に出る!用意しとけ兎!」




俺は両手に剣を備えるとーーー



着地し、振り返ったと同時に突進していった。





暗殺者たちの渦の中へーーー。







「うわぁ!」


「ぐほっ!」




俺は暗殺者たちを次々と斬りつけていった。





ーーー憎しみが俺の心を支配していった。




どうだっていい。



どんなやつが俺に殺されようと、




俺の憎しみの気持ちはーーーおさまらない。









『憎しみの心を持って、人を殺すのはやめてください』





ーーーあ…



ふと、ガイドンの言葉が頭の中をよぎった。





「ーーー兎!もうやめろ!」




そして、必死に俺の耳元で叫ぶニカの声も、ようやく耳に入ってきた。





「っ!!」




俺は剣を振るのをやめた。




俺はもう既に周りの暗殺者達全員を殺めていた。






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