相棒の世界
「うーんなるほどねー…
そこの兄さん、あんたは大変な目にあったんだねぇ」
「いえ、そんなことは…」
俺はそう言って顔を下に向けた。
正直、こういう優しい言葉には慣れていなかったのだ。
「まあいいさ!」
ボン!!
「……っ!」
占い師は俺の肩に勢いよく手を乗せると、ニシシと笑って見せた。
「ずいぶんと疲れているだろう!
後で全員肩もみをしてやるさ!
ーーーはやく中へお入り!」
俺は顔を上げた。
そして目を丸くするーーー。
こんなにもおおらかな人に出会ったことは、今まで本当になかったのだ。
こんな人が世の中にもいるものなんだな…
「…感謝する」
俺は頭を下げた。
「いいようそんなぁ。
ほれ!中に入いんなさい!」
ーーー俺たちはそのまま占い師の家に入っていった。
森の木で作られたというこの家は、木のいい香りが漂っていた。