相棒の世界
「さあて」
ハカゼは俺とガイドンの向かいに置かれたソファにドスンと腰を下ろした。
途端に床が少しだけ揺れる。
ガイドンいわく、ハカゼは年のいった老人ではあるが、押してもビクともしないようなガッシリとした体つきをしているらしい。
「ーーーここに来たのは他にも目的があるんだろう?そうだろう?」
「っ!」
俺は思わず顔を上げた。
この人は…ずっと分かっていたのか?
「そーだよアルバートさん。
ずっと分かっていたさ、何もかもね」
「っ!!」
俺は目を丸くした。
ハカゼは俺の名を言い当てた上に、心の中で呟いたことにも軽々と答えたのだ。
「あたしはね、人の心が見えるんだ。
そこらへんのインチキ占い師とは違うよ?
ーーーあんた、死んだ者の話を聞きに来たんだねぇ。しかもまあそれが…鷹目だとはねぇ」
「っ!」
ーーーハカゼは鷹目のことを知っているのか!?
俺は身を乗り出した。
「鷹目を知っているのか…!?」