相棒の世界
「ああ、もちろん」
ハカゼはそう言って立ち上がると、向こうの部屋から何かを取りに行った。
そして戻ってくると、それを俺とハカゼの間にあるテーブルに優しく置いた。
「これは蘇りの鏡だよ。
あたしが念じれば、この鏡の中にお前が求めている鷹目の姿が浮かび上がるんだ。
…まあそう言っても、お前は見えないから声だけを聞くことになるけどねぇ」
「…っ」
俺は唾を飲み込んだ。
鷹目にーーー会えるんだ…
「ただし、時間はとっても短いよ?
私ももう年だからねぇ、そんなに長くは念じ続けられないのさ。
ーーーまあ、アイツならきっと一言で道を示してくれるとは思うけどね」
ハカゼのアイツという言葉に、俺は耳をピクリと反応させた。
どうやら鷹目とは親しい仲だったように思われる…
「そうさ、親しかったさ」
またもやハカゼは俺の心を読んで答えた。
「アイツはあたしの可愛い息子みたいなもんだったよ。
笑ったり泣いたり、すーぐ怒ったり…
アイツは感情の起伏が激しい奴だった」
懐かしそうにハカゼは言った。