相棒の世界
「なーんであんたは正体を隠してまで、この人についていたんだい、鼠」
ハカゼが呆れた口調で訊くと、ガイドンはまた笑って見せた。
「くだらないことをしてすみません。
俺はただーーー
鷹目兄さんに言われたことを実行したまでです」
ーーーん?
鷹目…兄さん…?
「そういうことだったのかい…
やっぱりアイツは何かにこの人を導きたいと思っていたんだね。
本当に頭の切れるやつだよ…
あんたもーーー従順な弟だねぇ」
「っ…弟だって!?」
俺は驚愕した。
ガイドンがーーー鷹目の弟…!?
「あはは、血は繋がっていませんけどね」
ガイドンは照れ笑いをした。
「鷹目兄さんは俺の尊敬していた人でした。
俺、鷹目兄さんにずっと言われていたことがあったんですよ。
ーーー俺が死んだら兎を助けてやれって」
鷹目が…そんなことを?
まるで自分が死ぬことをーーー
前から分かっていたみたいじゃないか。
「……っ」
俺は唇をギュッと結んだ。
アイツはーーーどうして俺をこんなに守ろうとしたんだ?