相棒の世界
扉の外にいる人物に向けて、俺は言った。
「ーーーどういう意味だ?
ーーーそしてお前は誰だ?
この二つの質問にだけきっちり答えろ」
「一つ目の質問の答え、そのままの意味だ。
二つ目の質問の答え、名前はニカーーー」
ーーー鷹目の娘だ。
「っ!!!」
聞こえてきた言葉に俺は唖然とした。
鷹目のーーー娘だとーーー?
「ーーーははは」
「なぜ笑う」
「ーーーそんな馬鹿げた話があるか。
あいつに子供なんていなかった」
あいつはーーー
ずっと俺のそばにいたーーー
「ーーーその様子じゃあ、随分親しかったんだな、鷹目と」
「……っ」
まずい、少し口が滑ってしまった。
「ーーーそこまで親しくはない。
少々会話をする程度の男だったさ」
「そうかそうか。
なら子供がいたという事実も否定できないな…
ーーーそこまで親しくなかったのだから」
「………っ」
こいつの口調には少々イラっとくるものがある。
口調自体は似てないがーーーイライラさせる面では奴そっくりだ…