相棒の世界
14. 記憶3【 兎 】
***
ゼイルの元を去ってから半年が経った。
あれから俺の心は闇に飲まれていったーーー。
「兎よー!!」
「きゃあああ!!」
俺が町に現れる度に人々は声を上げーーー
「あああああ!!!」
それに苛立ちを覚えた俺は、さらに暴れまわるようになった。
そしてたくさんの人々をーーー殺していったのだ。
「グスッ…」
自分がどこにいるのかも分からない。
「…グスッ…」
誰も俺を愛してくれない。
「うう…うあああああ!!」
古びた建物の裏に座り込んでは、俺は大声で泣き叫んでいた。
ーーーこんな世界なんて…
もう嫌だ。
もうーーー消えてしまいたい。